
大阪府の介護職員処遇改善加算の現状は? 知らないと損する取得実績や支給方法を紹介!
大阪府の介護職の方、処遇改善で給料は上がりましたか?「介護職員処遇改善加算」は介護職の賃金改善のための制度ですが、ホントに給料が上がるかは職場次第。気になる大阪府の介護事業所の対応状況をご覧ください。
「介護職員処遇改善加算」ってどんな制度?
まずは、介護職員処遇改善加算とはどんな制度なのか見てみましょう。
介護職員処遇改善加算の概要

介護職員処遇改善加算とは、介護職の給料を上げるための制度です。
介護職のキャリアアップの仕組みづくりや、職場環境の改善などに取り組む介護事業所は、国からお金が支給されます。このお金は、介護職の給料アップのために使うよう定められていて、正社員だけではなく、パートやアルバイトも対象。
介護職員処遇改善加算によって介護職が月にもらえる金額は、1人あたり最大3.7万円![1]
実際、大阪府の介護職の年収は、2016年から2017年の間に約20万円も上がったというデータ[2]もあり、介護職員処遇改善加算は、介護職の賃金改善に大いに貢献していると考えられます。
PICK UP!【介護職員等特定処遇改善加算】とは
介護職の処遇改善は、過去にも何度か見直しや拡充が行われています。2019年10月からは「介護職員等特定処遇改善加算」として、ベテラン介護福祉士を中心に、さらに給料アップが見込める施策が打たれました。
職場の「経験・技能のある介護福祉士」1人以上の給料を月額8万円アップまたは年収440万円の水準に引き上げるなど、介護職の賃金向上を目的としています。これにより、介護職のやりがいや職場定着につながると期待されています。
介護職員処遇改善加算の注意点
「給料が安い」と嘆く介護職にはうれしい介護職員処遇改善加算の制度ですが、注意点が2つあります。
【注意点その1】介護職員処遇改善加算はⅠ~Ⅲまでの加算の区分があり、介護事業所が取得している区分により国から支給される金額が違います。加算を取得していない介護事業所では、介護職員処遇改善加算による給料アップはありません。
【注意点その2】介護職員処遇改善加算により国から支給された資金を、「誰に」「どうやって」「いくら渡すか」は、介護事業所の判断に任されています。支給対象や方法、金額について、職員への説明が不十分な職場だと、不公平感が生まれるケースもあります。
次の章からは、上記の注意点を踏まえて、大阪府における介護職員処遇改善加算の普及率や対応状況を見ていきましょう。
大阪府では、介護職員処遇改善加算はどれくらい普及しているの?
前章で、介護職員処遇改善加算には区分があり、もらえる金額が違うこと、そもそも加算を受けていない介護事業所があるとお伝えしましたが、大阪府ではどのような状況でしょう。
以下のグラフをご覧ください。
■大阪府の介護職員処遇改善加算の取得率[3]

なんと、大阪府では、9割以上の介護事業所が介護職員処遇改善加算を取得している上に、7割以上が最高区分である加算Ⅰを取得していました!
加算Ⅰを取得するためには
- 役職や職務内容に応じた賃金体系の整備
- 介護スキル向上のための研修の実施
- 経験や資格に応じた昇給制度の整備
- 職場環境の改善の取り組み(賃金以外)
といった要件をクリアする必要があります。
大阪府で、加算Ⅰを取得している介護事業所がダントツで多いということは、給料だけでなく、介護職にとって働きやすい職場環境づくりに力を入れている職場に出合える可能性が高いと言えるのではないでしょうか。
また、ベテランの介護福祉士なら、「介護職員等特定処遇改善加算」を取得している職場で働けば、さらなる給料アップが期待できます。
大阪府では、介護職員処遇改善加算はどのように給料に還元されているの?
この章では、介護職員処遇改善加算は、職場により介護職への支給方法が違うことに注目しましょう。国が推奨するのは、基本給に上乗せする方法ですが、大阪府ではいかがでしょうか。
■大阪府の介護職員処遇改善加算の支給方法[4]

大阪府では、一時金として半年から1年のスパンでまとまった金額を支給する方法を取る介護事業所が多いようです。ただ、この方法は、入職や退職時期によってはもらい損ねる懸念もあります。
職場によっては、基本給に組み込んではいるものの、介護職員処遇改善加算による手当込みで最低賃金に近い給料設定をしているケースも。
また、職員のうち誰にいくら支払うかも介護事業所の判断によりますので、加算Ⅰを取得している介護事業所と言えども、介護職全員が同じ金額をもらえるわけではないということも念頭に置いておきましょう。
大阪府では、介護職員処遇改善加算による給料アップが期待できる職場は多いものの、支給方法やもらえる金額については、事前にしっかり確認する必要がありそうです。
介護職員処遇改善加算には、賃上げの仕方などについて、介護事業所は職員に周知しなければならないというルールがあります。今の職場で、介護職員処遇改善加算についての不明点があれば、説明を求めてみましょう。
大阪府で、介護職員処遇改善加算の恩恵を受けるには職場選びが大切!
もし、あなたが、今の職場で介護職員処遇改善加算をきちんと受け取れていない、支給方法に納得がいかないなどの場合は、もっと条件のよい職場への転職を検討してはいかがでしょうか。
ここでは、介護職員処遇改善加算に注目して求人を探すポイントをお伝えしましょう。
求人の「処遇改善手当」の記載をチェック!
大阪府では、介護職員処遇改善加算で支給された資金を、「処遇改善手当」として毎月、定額を職員に支払っている介護事業所もあります。
「処遇改善手当」は、求人欄の賃金の項目に金額とともに記載されていることが多く、パッと見て介護職員処遇改善加算を職員にきちんと還元している職場であることがわかりやすいですね。
大阪府のハローワークの求人状況を見ると、賃金の項目に「定額的に支払われる手当」として、資格手当や夜勤手当などのように、処遇改善手当を記載している求人が4割近くありました。[5]
これから介護職として就職・転職するなら、処遇改善手当を支給しているかどうかを基準に求人を絞るのも1つの方法です。
では、実際の求人例を見てみましょう。
■大阪府の処遇改善手当のある求人例
処遇改善手当の金額は、事業所により様々です。基本給や各種手当、ボーナスなどを合わせて自分の希望する年収になるかを総合的に判断しましょう。
転職エージェントを活用して情報取集!
介護職が転職するには、ハローワークや求人サイトの他、転職エージェントを活用する方法もあります。
転職エージェントとは、希望の職種・職場への転職をサポートしてくれる人材紹介サービスの1つ。無料で利用でき、転職についての相談や、転職先のあっせん、雇用条件の交渉などをしてもらえます。
処遇改善手当の支給方法や具体的な金額も、転職エージェントに相談すれば、あなたに代わって職場に問い合わせてくれます。
介護職専門の転職エージェントもありますので、上手に活用して情報収集すれば、大阪府での介護転職の力強い味方になるでしょう。
いかがでしたか?
大阪府で介護職員処遇改善加算による確実な給料アップをめざしたい方は、職場の対応状況をきちんと見極めて、よい求人を探してくださいね。
注釈
[1]出典:「介護職員処遇改善加算のご案内/厚生労働省」
[2]出典:「平成29年賃金構造基本統計調査/厚生労働省」※年収は「きまって支給する現金給与額」×12+「年間賞与・その他特別給与額」
[3]グラフは「介護事業所・生活関連情報検索」を参考に当社が作成 ※2019年8月時点
[4]表は「平成29年度 介護労働実態調査結果 都道府県版 大阪支部/公益財団法人 介護労働安定センター」を参考に当社が作成
[5]出典:「ハローワークインターネットサービス」※2019年4月時点
