
大阪府の介護職の求人動向は?
介護施設の求人状況や、介護職の実情を解説!
大阪府の介護職の求人動向とは?次々と都市部の再開発が進む大阪府で、「保安・建設」に続いて高い有効求人倍率を保っているのが「介護業界」です。 求人側の深刻な人手不足も、求職側には引く手あまたの売り手市場。そんな大阪府の介護業界の求人動向を詳しく見ていきましょう!
大阪府の求人動向
お笑いやグルメなど、観光面では魅力がいっぱいの大阪府。気になる雇用面はどのような状況でしょうか。
ここでは、大阪府の全職種の求人動向を、有効求人倍率でご紹介します。
大阪府の全職種における有効求人倍率
厚生労働省の調べでは、2018年度の大阪府の全職種における有効求人倍率は1.78倍でした。
では、それ以前の数値も見てみましょう。
■大阪府の有効求人倍率の推移[1]

上のグラフから、大阪府の有効求人倍率は2013年から5年連続で上昇していることがわかります。
大阪府の求人状況は、着実に改善されつつあるようですね。
有効求人倍率とは?
ハローワーク(公共職業安定所)での求職者に対する求人数の割合のこと。新卒者は除く。 数値が「1」を超えると求職者よりも求人数が上回っていることを示す。
大阪府の職種別の求人動向
次は、大阪府の2019年3月の有効求人倍率を職種別に見てみましょう。
■大阪府の職種別の有効求人倍率[2]

このグラフから、大阪府の職種別の有効求人倍率は、1位「保安」、2位「建設・採掘」、3位「介護関連」であることがわかります。
「保安」「建設・採掘」の有効求人倍率が高い理由には、梅田・中之島周辺や難波などで続いている再開発ラッシュの影響が考えられます。
一方、「介護関連」の高倍率は景気に左右されるものではなく、介護業界の慢性的な人材不足を示しているようです。
その根拠となるデータを、次の項目でご紹介します。
大阪府の介護職の求人動向
近年の大阪府の介護業界の有効求人倍率の推移をご覧ください。
■大阪府の介護業界の有効求人倍率の推移[3]

大阪府の介護業界の有効求人倍率は年々、上昇を続けており、2018年にはついに5倍を超えました。介護施設やデイサービスなど、求人側にとっては深刻な人材不足が続いていると言えます。
一方、求職側にとっては、多くの施設から自分の希望条件に合った施設を選べる、無資格・未経験でも採用されやすいなど、メリットがたくさん!
人材を至急確保したい介護施設などでは、給与の大幅アップや待遇改善も考えられ、高収入での介護職の就職・転職をお考えの方にはよいチャンスかもしれませんね。
大阪府では、介護業界の人材不足を解消するため、2017年11月、本格的に介護・福祉の人材確保にのりだしました。[4]
介護職の給料や待遇の改善、中高年や主婦層を雇用につなげていく方針などが盛り込まれ、介護求人のすそのが広がることが期待されます。
大阪府の介護職の採用状況

ここからは、(公財)介護労働安定センターの調査をもとに、大阪府の介護業界での雇用の実情を見ていきましょう。
採用率・離職率から見る介護職の人材不足の理由
いくら求人数が多くても、求職者と雇用条件がマッチしなければ、なかなか採用にはいたらず、採用になってもすぐに離職してしまいます。
大阪府の介護事業所の採用率・離職率はどのような状況か見てみましょう。
■大阪府の介護事業所の採用・離職率 [5]
介護職 | ホームヘルパー | |
---|---|---|
採用率 | 24.2% | 17.0% |
離職率 | 20.6% | 16.3% |
増加率 | 3.6% | 0.6% |
介護職・ホームヘルパーともに、採用率と同じくらい離職率が高く、人材がほとんど増えていないことがわかります。
大阪府では、介護職などの求人・採用活動は活発に行われているものの、職場に定着する人が少ないことが、「求人数は多いのに、求職者も多い」ことの大きな原因だと考えられます。
介護人材不足の原因は好景気?
では、実際に「人材不足」と感じている大阪府の介護事業所はどのくらいあるのでしょうか。
■大阪府の介護事業所の人材に対する過不足状況 [6]

やはり、多くの介護事業所で人材不足だと感じているようです。
「不足している」と答えた事業所に理由を聞くと、「採用が困難である」(90%)、「離職率が高い」(17.9%)などの回答がありました。
また、「採用が困難である」理由としては、「他産業に比べて、労働条件などがよくない」(56.2%)という回答に続き、「景気がよいため、介護業界へ人材が集まらない」(46.9%)という回答も。
先ほどお伝えした「大阪府全体の有効求人倍率は5年続けて上昇している」という状況は、介護業界にとってはあまりうれしくない現実なのかもしれませんね。
大阪府の介護業界で働く人々の実情
介護業界ではなかなか人材が定着しないことをお伝えしましたが、現在、介護業界で働いているのは、どのような人たちなのでしょうか。
次は、実際に大阪府の介護業界で働く人々についてご紹介します。
介護職は40~50代が活躍!
2017年度の(公財)介護労働安定センターの調べでは、大阪府における介護業界の平均年齢は48.9歳でした。全国平均の47.4歳に比べると少し高めですね。大阪の介護業界では40~50代の方が活躍しているようです。[7]
では、実際の求人例を見てみましょう。
■大阪府の40~50代が活躍している求人例
介護の仕事は、家事の経験を活かせることも多く、その点からも、子育てを終えた40~50代の主婦の方にとって働きやすいと言えるのではないでしょうか。
介護福祉士など、難しい資格を持っていなくても、すぐに働きはじめられるのもうれしいところです。
それでは次に、大阪府の介護業界で働く人々の仕事への満足度についてご紹介します。
介護職の多くは仕事に将来性とやりがいを感じている
大阪府の介護業界で働く人々が、どのような思いで介護の仕事を選び、仕事を続けているのかがわかるアンケートを2件ご紹介します。
■大阪府の介護業界で働く人々が今の仕事を選んだ理由 [8]
働きがいある仕事だと思ったから | 48.6% |
---|---|
資格・技能が活かせるから | 33.8% |
今後もニーズが高まる仕事だから | 29.8% |
■大阪府の介護業界で働く人々の仕事への満足度 [9]
仕事の内容・やりがい | 54.4% |
---|---|
職場の人間関係 | 51.8% |
職場の環境 | 44.7% |
雇用の安定性 | 39.6% |
2件のアンケート結果から、大阪府の介護業界で働く人々は、働きがいを考えて介護の仕事を選び、仕事内容・やりがい、職場の人間関係に満足している方が50%以上いるということがわかります。
また、今後の仕事に関するアンケートでは「今の仕事を続けたい」と回答された方が55%もいました。
「仕事がきつい」と言われる介護業界ですが、自分に合った介護施設で働くことができれば、やりがい・満足度につながることは間違いないようですね。
介護業界の人材不足が続く中、大阪府も介護職の待遇改善にのりだし、介護職への就職・転職をお考えの方には大きなチャンスとなっています。
現在活躍している介護職の方は40~50代が多く、40代からでも安心して働きはじめることができます。
無資格・未経験でも正社員で採用してくれる、または働きながら介護福祉士などの資格取得をサポートしてくれる介護施設もあるので、介護のお仕事に興味のある方はぜひ、求人サイトで求人情報をチェックしてみてくださいね。
注釈
[1] [2]グラフは「労働市場ニュース/大阪労働局」を参考に当社が作成 ※原数値/受理地別/新規学卒者を除く/[1]はパートタイム関係取扱数を含む/[2]はパートタイムを含む常用/「介護関連」は専門技術およびサービスのうち介護関連の職業を合計したもの
[3]グラフは「職種別有効求人倍率及び求人求職賃金/大阪労働局」を参考に当社が作成 ※パートタイムを含む常用/各年3月分の数値を参照
[4]出典:「大阪府における介護人材確保の 取組みについて/大阪府 福祉部 地域福祉推進室 福祉人材・法人指導課」
[5]~[9]「平成29年度 介護労働実態調査結果 都道府県版/(公財)介護労働安定センター大阪支部」を参考に当社で作成
※本文中に記載の施策は2019年7月時点のものであり、今後、内容が変更する可能性があります
