
奈良県における「介護職員処遇改善加算」の現状を解説。給料を上げたい介護職は必読!
奈良県で介護職へ転職をお考えの方、「介護職員処遇改善加算」を意識して求人を選んでいますか?「介護職員処遇改善加算」と「特定処遇改善加算」は、介護職の給料を上げるための制度ですが、対応状況は職場により様々。奈良県の現状を見てみましょう。
奈良県の介護職の給料は「介護職員処遇改善加算」で底上げされた?
「介護職員処遇改善加算」は、介護職の給料を底上げするための制度。
まずは、制度の概要を簡単に説明しましょう。
介護職員処遇改善加算とは?

「介護職員処遇改善加算」の目的は、不足する介護職の人材確保と職場の定着率アップ。
そのため、介護職のキャリアパスや働きやすい職場環境を整備していると認められた介護事業所のみが、介護職員処遇改善加算を取得でき、自治体からお金をもらうことができます。
このお金は、介護職の給料を上げるために使うことが定められており、正社員だけでなく、アルバイトやパート、派遣も対象です。
給料の安さが取りざたされることの多い介護職ですが、介護職員処遇改善加算が施行されてからは、給料水準が徐々に上がっています。
奈良県の介護職の年収は、2016年には約325万円。それが、2019年には約343万円と、約18万円もアップしており、着実に底上げされていると言えるでしょう。 [1]
奈良県の介護事業所の対応状況と介護職員処遇改善加算の注意点
奈良県の介護事業所の約74%が取得している[2]介護職員処遇改善加算。しかし取得していない一部の介護事業所では、介護職員処遇改善加算による給料アップはありません。
【注意点その1】
介護職員処遇改善加算にはⅠ~Ⅲの区分があり、もらえる金額が違います。最上位の区分Ⅰを取得していれば、介護職1人当たり月額3.7万円相当の支給があります。
【注意点その2】
介護職員処遇改善加算を職員のうち誰にいくら支払うかは介護事業所の考えによります。経験・スキルによってはもらえなかったり、支給額に差が付いたりすることがあります。
【注意点その3】
支給方法は職場により違います。推奨されているのは基本給への上乗せですが、「処遇改善手当」という名目で毎月の手当としたり、一時金として支給したりするところもあります。
奈良県の介護事業所はどのような方法で支給しているのか見てみましょう。
■奈良県の介護職員処遇改善加算の支給方法[3]

奈良県では、諸手当の導入という形で、介護職員処遇改善加算で得たお金を支給する介護事業所が多いようです。
奈良県で介護職が転職するなら、「処遇改善手当」などの名目の手当が、毎月いくら出ているかに注目して求人を探してみるといいかもしれません。
介護職として経験・スキルがあれば「介護職員等特定処遇改善加算」で優遇される?
介護職員処遇改善加算に続き、2019年からは「介護職員等特定処遇改善加算(以下、特定処遇改善加算)」がスタートしています。
概要を説明しましょう。
特定処遇改善加算とは?
特定処遇改善加算の目的は、ベテラン介護職および職員全体の仕事へのモチベーションアップ。
介護職員処遇改善加算の取得を前提に、
- 職場環境や労働条件を整備
- 賃金以外の職員の処遇改善の内容をホームページなどで公表
といった取り組みを行っている介護事業所のみが特定処遇改善加算を取得できます。
特定処遇改善加算のメインの支給対象は「経験・技能のある介護職」。
「介護福祉士の資格を持っている」「10年以上介護職の経験がある」など、ベテラン介護職の場合、「年収440万円以上」もしくは「月給8万円アップ」という給料の優遇が期待できる制度です。
奈良県の介護事業所の対応状況と特定処遇改善加算の注意点
奈良県の介護事業所のうち、68%が「算定する」「する予定」としている [4] 特定処遇改善加算。前章でお伝えした介護職員処遇改善加算と同様、特定処遇改善加算で介護事業所が得たお金を、職員の誰にいくら支払いうかは、職場の考えによります。
ただし、特定処遇改善加算の場合は、賃上げ額にルールがあります。
■特定処遇改善加算による賃上げのルール

介護事業所は上記のルールの範囲内で、どのグループにいくら支給するかを自由に設定できます。職員ごとに金額に差をつけてもOKです。
極端に言うと、メインの支給対象であるベテラン介護職のうち、だれか1人に必ず支給していれば、他は支給しなくてもいいということです。
そのうえで、特定処遇改善加算の注意点は2つ。
【注意点その1】
小規模な介護事業所は、賃上げのルールに沿わなくても良しとされており、特定処遇改善加算を取得していても給料が上がらない場合があります。
【注意点その2】
職場にすでに年収440万円以上のベテラン介護職がいれば賃上げの必要がないので、大幅な給料アップがなかったり、まったくもらえなかったりすることがあります。
事業所の裁量による部分が大きいうえに、ルールに則った賃上げのバランスが難しいと言われる特定処遇改善加算ですが、前述したように、奈良県では過半数の介護事業所が取得する意向です。
ベテラン介護職を優遇する特定処遇改善加算を取得している介護事業所であれば、頑張りが評価されて給料が上がる可能性が高まるでしょう。
奈良県の介護職が、きちんと処遇改善を受けるには職場選びが大切!
介護職員処遇改善加算も特定処遇改善加算も、職場によってもらえたりもらえなかったりするとなると、転職にも不安がつきまといますよね。
介護職員処遇改善加算・特定処遇改善加算で介護事業所が得た金額や賃上げ額については、職員1人ひとりにきちんと説明するという決まりがあります。
働き始めてから後悔しないよう、面接時にしっかり確認しましょう。
「お給料のことをくわしく聞きにくい」という方は、介護職専門の転職エージェントを活用する方法がおすすめ。
転職エージェントの公式サイトには、奈良県の介護職の求人がたくさん掲載されています。
■奈良県の処遇改善手当のある求人例
気になった求人があれば問い合わせてみてはいかがでしょう。
利用は無料ですし、掲載求人以外から希望条件に沿った求人を紹介してもらえるのはもちろん、給料や処遇改善の状況などのデリケートな内容もあなたの代わりに職場に確認してもらえます。
介護職員処遇改善加算や特定処遇改善加算の仕組みをよく理解したうえで、納得のいく条件の職場を探してくださいね。
注釈
[1]出典:「平成29年賃金構造基本統計調査/厚生労働省」※年収は「きまって支給する現金給与額」×12+「年間賞与・その他特別給与額」
[2][3][4]グラフは「令和元年度 介護労働実態調査結果 都道府県版 奈良支所/公益財団法人 介護労働安定センター」を参考に当社が作成
